きぼうのいえは東京の日雇い労働者の街、通称山谷地区にある、身寄りのない人、行き場がない人のための在宅ホスピスケア施設です。
その原型はコルカタ(カルカッタ)のマザーテレサの「死を待つ人の家」にあるといえましょう。しかし、ここの特徴は「死を待つ人の家」と呼ぶよりもまさに「いのちを生き抜く人の家」であることです。
この東京のスラム街にある独特なホスピスは命ある限り生き抜く人々のホスピス長屋とも呼べると思います。
きぼうのいえは、生きとしいける人々の日常生活の匂いに満たされています。入居者さんの体の痛みに対するケアとともに人が死に面した時に感じる、あらゆる痛みに対してどのように寄り添っていくかそれがきぼうのいえのケアでもっとも着眼するべき点だと思います。生涯を通じてかかえてきた問題を振り返り、周囲との和解、自分の過去との和解、人生に対する肯定や疑念、肉体の衣を脱ぎ捨てて旅立つことへの畏れ一言では言い尽くせないようなさまざまな課題が、きぼうのいえでの限られた時空のなかで織り成されていきます。
この世における最終コーナーを迎えつつある入居者の皆さんとスタッフは上下関係を持つことなく、共同生活者としてこの容易でないハードルを越えていくのです。
「誰でもどこからでもやりなおせる」
この言葉をスローガンとして掲げながら、私たちは家族的なかかわりをなにより尊重していきたいと思います。
人間の「絆」、「関係性」そして「愛すること」、これが人生の中心的な重要点であることをこのホスピスのありかたを通して、訴えていきたいと思います。